
どんなに気をつけていても、不良部品はゼロにはできません。
大切なのは、不良が発生したときに、あわてず正しく対処することです。
初動を誤ると、不良品が市場に流出したり、同じ不良を繰り返したりしてしまいます。
このページでは、不良部品発生時の対処手順とポイントを解説します。
まず「止める・分ける」
不良を発見したら、最初にすべきは「被害を広げない」ことです。
まず、加工を止めること。
不良が出ているのに加工を続ければ、不良品が増えるだけです。
原因がわかるまで、いったん加工を止めて状況を確認します。
次に、良品と不良品を分けること。
すでに加工された部品の中に不良が混ざっている可能性があるため、疑わしいロットを隔離し、良品と不良品を明確に区別します。
とくに無人運転では「いつから不良になったか」がわからないため、前回の良品確認以降のロットを慎重に確認する必要があります。
この「止める・分ける」を確実に行うことが、不良流出を防ぐ初動の鉄則です。
原因を切り分ける
被害を食い止めたら、次は原因の特定です。
不良の原因は、「機械」「工具」「材料」「加工条件」「段取り」のいずれかにあることがほとんどです。
不良の内容から、原因をしぼり込みます。
たとえば、寸法が一律にずれているなら工具摩耗や補正値、断面がゆがんでいるなら把握状態や真円度の問題、面が荒れているなら工具や切削条件、特定のタイミングで急に不良になったなら工具欠損や切りくず詰まり——というように、症状から原因を推測します。
一度に複数を変えず、一つずつ確認するのが切り分けの基本です。
再発防止につなげる
原因がわかり、対処したら、それで終わりにせず「再発防止」まで踏み込むことが重要です。
なぜその不良が起きたのか、なぜ防げなかったのかを掘り下げ、仕組みとして対策します。
たとえば、工具摩耗が原因なら工具寿命管理の見直し、寸法ドリフトが原因なら機内計測の導入、段取りミスが原因なら手順書やチェックの整備——というように、「次は同じ不良を出さない」仕組みづくりにつなげます。
不良は、再発防止の仕組みを強くするための貴重な情報でもあります。
「なぜなぜ分析」で真因にたどり着く
不良の再発を防ぐには、表面的な原因だけでなく、その奥にある「真の原因(真因)」までたどり着くことが大切です。
そこで役立つのが、「なぜ?」を繰り返して原因を深掘りする「なぜなぜ分析」という考え方です。
たとえば、「寸法不良が出た」→ なぜ?「工具が摩耗していた」→ なぜ?「交換時期を過ぎていた」→ なぜ?「工具寿命の管理ルールがなかった」——というように、「なぜ」を繰り返すと、表面的な現象の奥にある仕組みの問題が見えてきます。
この例なら、真因は「工具寿命管理の仕組みがないこと」であり、対策は「工具寿命管理のルールを作ること」になります。
目の前の不良品を取り除くだけでは、また同じ不良が起きます。
「なぜそれが起きたのか」を深掘りし、仕組みとして対策することが、本当の再発防止につながります。
よくある質問(FAQ)
Q. 不良を見つけたら、まず何をすべきですか?
A. まず加工を止め、良品と不良品を分けて被害の拡大を防ぎます。
無人運転では「いつから不良か」が不明なため、前回の良品確認以降のロットを慎重に確認します。
Q. 原因はどうやって特定すればよいですか?
A. 不良の症状(寸法ずれ・形状の崩れ・面荒れなど)から、機械・工具・材料・条件・段取りのどこに原因があるかをしぼり込み、一つずつ確認します。
Q. 同じ不良を繰り返さないためには?
A. 原因への対処だけでなく、再発防止の仕組み(工具寿命管理、機内計測、手順書の整備など)まで踏み込むことが重要です。
まとめ
不良部品が発生したら、「止める・分ける」で被害を食い止め、症状から原因を切り分け、対処したうえで再発防止の仕組みづくりまでつなげることが大切です。
あわてず手順を踏むことが、不良流出の防止と品質向上につながります。
日常の予防策は「加工ロスを未然に防ぐ運用時のチェック項目」をご覧ください。
