活用・事例

シャフトの旋盤加工

スター精密のCNC自動旋盤 SL-7/10

シャフト(軸)は、回転や動力を伝える棒状の部品で、自動車、OA機器、産業機械など、あらゆる機械に使われる基本的な部品です。
一見シンプルですが、「細くて長い」という形状ゆえに、加工には独特の難しさがあります。
このページでは、シャフトの旋盤加工のポイントを解説します。

シャフト加工の難しさ — たわみと振れ

シャフト加工の最大の課題は、細長いワーク特有の「たわみ」と「振れ」です。

旋盤加工では、材料を支える点から刃先までの距離が長いほど、加工の力で材料が弓なりにたわみます。
細くて長いシャフトは、まさにこのたわみが起きやすい形状です。
たわんだ状態で削れば、寸法が狂い、真円度や真直度が悪化します。
また、細長いワークは回転時に振れも生じやすく、加工精度を乱す原因になります。

つまり、シャフト加工では「いかにたわみと振れを抑えて、まっすぐ高精度に削るか」が品質の鍵になります。

加工のポイント

ガイドブッシュの選定と調整

細長いシャフトを安定して加工するには、刃先近くでワークを支えるガイドブッシュの選定と調整が重要です。
ガイドブッシュの内径が材料径に合っていないと、支持が不安定になり、振れやたわみが発生しやすくなります。
反対に、すき間が小さすぎると材料の送り不良や傷、発熱の原因になることがあります。

シャフトの径や長さ、材料の外径精度に合わせてガイドブッシュを選び、スムーズに材料を送りながら、加工中はしっかり支えられる状態に調整することが大切です。

切削条件の最適化

たわみを抑えるには、加工の力(切削抵抗)を小さくすることも有効です。
切込みを抑えて複数回に分けて削る、適切な工具を選ぶなど、切削条件の工夫でたわみを軽減できます。
荒加工と仕上げ加工を分け、仕上げの取り代を適切にすることも、精度確保に役立ちます。

振れ・真直度の管理

シャフト加工では、加工後の真直度や振れを安定させることが重要です。
特に細長いシャフトは、加工中のたわみや振動、材料に残った応力の影響を受けやすく、加工後にわずかな曲がりが出ることがあります。

そのため、加工時にはワークを適切に支持し、無理な切削条件を避けることが大切です。
また、必要に応じて工程を分けたり、材料の状態を確認したりすることで、真直度や振れのばらつきを抑えやすくなります。

また、素材外径が製品として残る場合には、素材そのものの真直度が非常に重要となります。

シャフトに加わる「ねじれ」と「曲げ」

シャフトは、回転や動力を伝える部品であるため、使用中に「ねじれ」や「曲げ」の力を受けます。
加工の品質が、こうした使用時の性能に直結します。

たとえば、シャフトに曲がりや真直度の不良があれば、回転時に振れが生じ、振動や騒音、軸受けの早期摩耗の原因になります。
表面に傷や加工不良があれば、そこから疲労破壊が起きることもあります。
だからこそ、シャフト加工では、まっすぐさ(真直度)と表面品質が特に重要視されます。
また、はめ合い部(軸受けやギアが付く部分)の寸法精度・真円度は、組み付け精度を左右します。
「ただ削れていればよい」のではなく、「使われ方を考えた品質」が求められるのが、シャフト加工の奥深いところです。

よくある質問(FAQ)

Q. シャフト加工で一番の課題は何ですか?
A. 細長いワーク特有の「たわみ」と「振れ」です。
これらを抑えて、まっすぐ高精度に削ることが品質確保の鍵になります。

Q. なぜスイス型がシャフト加工に向くのですか?
A. ガイドブッシュが刃先の近くでワークを支えるため、突き出し量が短く保たれ、たわみを抑えられるからです。
細長い部品ほど効果が大きくなります。

Q. たわみを抑えるには切削条件をどうすればよいですか?
A. 切込みを抑えて複数回に分けて削る、切削抵抗の小さい工具を選ぶなどが有効です。
荒加工と仕上げ加工を分けることも精度確保に役立ちます。

Q. はめ合い部の精度はどう管理しますか?
A. 軸受けやギアが付くはめ合い部では、寸法精度と真円度が組み付け精度を左右します。
そのため、加工前に公差範囲を明確にし、加工中は機内計測などで寸法の変化を確認します。
測定結果に応じて工具補正や工具交換を行うことで、狙った精度を維持しやすくなります。

まとめ

自動盤でのシャフト加工では、細長いワークに生じやすいたわみや振れを抑えることが重要です。
刃先近くで材料を支えるガイドブッシュは、材料径や外径精度に合わせて選定・調整し、適切なすき間を保つ必要があります。
あわせて無理のない切削条件を設定し、真直度や振れ、はめ合い部の寸法精度・真円度を管理することで、安定した高精度加工につながります。
他の部品の加工は加工品別の旋盤加工をご覧ください。

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