
「CNC自動旋盤では、具体的にどんな加工ができるの?」——入門者が次に抱く疑問がこれです。このページでは、CNC自動旋盤でできる加工の種類、作れる部品、加工できる材質を、できるだけ具体的に紹介します。自社の部品が作れるかどうかを判断する手がかりにしてください。
CNC自動旋盤でできる加工の種類
CNC自動旋盤は、旋削(材料を回して削る)を中心に、さまざまな加工を組み合わせて1台でこなせます。代表的な加工を挙げてみましょう。
バイト加工——外径・端面・溝などを削る、旋削の基本加工です。正面加工(穴あけ系)——ドリルやリーマ、ボーリングで、材料の中心に穴をあけたり仕上げたりします。クロス加工(横加工)——回転工具を使って、横方向から穴をあけたり、平面(Dカット)やフライス加工をしたりします。ねじ加工——外周・内側にねじを切ったり、スレッドワーリングで医療用などの特殊ねじを加工したりします。B軸加工——工具を傾けて、斜め穴や同時多軸の複雑な加工を行います。ホブ加工——歯車のような外径・内径の歯切りを行います。
これらを組み合わせることで、棒材から複雑な完成部品を一気に削り出せます。
どんな部品が作れるのか
CNC自動旋盤は、「細くて小さく、丸みを含む精密部品」を得意とします。具体的には、5G通信のアンテナ・フィルター部品、医療部品(インプラント、内視鏡部品、ボーンスクリュー)、半導体・データセンター向けのコネクタや製造設備部品、自動車部品(エンジン・トランスミッション・パワステ・エアバッグ・ブレーキ・センサーの部品)、航空宇宙の締結部品など、幅広い分野の部品が作られています。
ひとことで言えば、「細くて長い金属の棒から、小さくて丸い部品(軸やネジ)を、同じ形でたくさん作る」のが最も得意な領域です。
加工できる材質
CNC自動旋盤は、さまざまな材質を加工できます。大きく分けると、鉄系(炭素鋼、ステンレス、合金鋼など)、非鉄(アルミ、銅、黄銅、チタンなど)、そして非金属(樹脂など)です。
材質によって削りやすさは大きく異なり、アルミや快削鋼は削りやすく、ステンレスやチタンは「難削材」として加工に工夫が必要です。難削材では、切削条件の調整や、揺動切削・高圧クーラントといった技術が活躍します。
精度の目安
CNC自動旋盤、とくにスイス型は、ミクロン単位の高精度な加工が可能です。求められる精度は部品によって異なりますが、医療や半導体など最先端分野の微細部品では、非常に高い精度が要求され、それに応えられるのがスイス型の強みです。具体的な加工可否や精度は、部品の形状・材質・機種によって変わるため、メーカーへの相談が確実です。
「できること」と「得意なこと」は違う
ここまで幅広い加工を紹介してきましたが、大切なのは「できること」と「得意なこと」を区別して考えることです。CNC自動旋盤は多様な加工ができますが、何でも最適にこなせるわけではありません。
CNC自動旋盤が最も力を発揮するのは、「小さくて丸い精密部品を、大量に作る」場面です。逆に、ブロック状の大きな角物や、平面加工が中心の部品は、マシニングセンタのほうが向いています。また、1個だけの試作なら、汎用旋盤のほうが手早いこともあります。
機械選びでは、「その機械にできるか」だけでなく、「その機械が得意か」を見極めることが重要です。自社の主力部品がCNC自動旋盤の得意分野に当てはまるなら、その効果は最大限に発揮されます。自社の部品との相性を考える際は、「タイプ別の違い」もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. CNC自動旋盤で複雑な形状も作れますか?
A. はい。旋削に加えて、横穴あけ・フライス・B軸加工・ねじ加工などを組み合わせることで、棒材から複雑な完成部品を1台で削り出せます。
Q. どんな材質が加工できますか?
A. 鉄系(鋼・ステンレス)、非鉄(アルミ・銅・チタン)、非金属(樹脂)など幅広く加工できます。難削材では加工に工夫が必要です。
Q. どれくらいの大きさの部品が作れますか?
A. 機種によりますが、直径数ミリ程度の小径から中径まで対応します。とくに細くて小さい精密部品を得意とします。
まとめ
CNC自動旋盤は、旋削を中心に穴あけ・フライス・ねじ・B軸加工などを組み合わせ、鉄・非鉄・樹脂まで幅広い材質で、細くて小さい精密部品を高精度に量産できます。医療・半導体・自動車など最先端分野の部品づくりを支える機械です。次は「導入前に知っておきたい基礎」で、導入を検討する際のポイントを見ていきましょう。
